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人事評価
人事評価

人事評価制度・システム導入と並行して準備すること

「人事評価制度を導入(見直し)したのに人事評価が上手く機能しないんです。」


お客さまからよくご相談いただく話です。これまでのコラムでも部分的にお伝えしていますが、どんなに素晴らしい仕組みを導入しても、その仕組みが上手く機能しなければ意味がありません。


本コラムは、初めて人事評価制度または人事評価システムの導入を検討している企業の方がご覧になっていると思いますので、みなさまの会社に制度やシステムが導入された後に「仕組みが上手く機能するために導入検討段階から押さえておくべきポイント」を2つお伝えします。

ポイント①:人事責任者や担当者の選任、確保


1つ目のポイントは、「人事責任者や担当者の選任、確保」です。人事評価制度の運用には大きな労力がかかります。これまでにない新しい仕組みを導入するので、評価を受ける側、評価をする側に当然負担が生じますが、それだけでなく、人事評価を取りまとめる人事責任者や担当者の業務にも大きく負荷がかかることになります。


人事評価の運用において発生するタスクの一例は下記のとおりです。

  • 評価スケジュールに関する通知
  • 各種面談のリマインドや実施確認とアラート出し
  • 設定された目標内容の確認、修正依頼
  • 評価調整会議、人事会議の準備
  • 処遇反映コストシミュレーションの作成
評価業務のイメージ

作業を効率化するために人事評価システムの導入は有効ですが、どんなシステムでもシステムで対応できない部分は人事担当者が対応することになります。ただ、従業員規模が50~100名くらいの企業で人事部門を設置している企業は少なく、総務や経理といった部署で人事業務を兼任で担っているケースが多いのが現実です。そういった兼任状態の方に上記のような業務の負荷が追加でかかると主たる業務にまで影響が出ることもありますので、制度導入後の人事評価業務に関する担当者や責任者については事前に選任して業務をおこなう時間を確保いただくことをおすすめしています。

ポイント②:評価者研修などを通じた評価者の育成


2つ目のポイントは、「評価者となる人材の育成や評価者に対する研修を、制度構築と並行しておこなうこと」です。人事評価制度の実務担当者は評価者であり、その評価者が適切に制度を運用しなければうまく機能しません。たとえば、初めて社員を評価する評価者の立場になった方は、評価制度の目的や狙い、評価実務のポイントが十分に身についていない状態で実務対応に追われることになり、本来の目的を考えると本末転倒です。人事評価制度の詳細部分は制度構築後でなければ説明できませんが、評価の目的や基本的な考え方といった評価者としての育成や研修は制度構築中でもおこなえます。新しい人事評価制度をスタート時点から上手く機能させるために、評価者研修を通じた評価者の育成を進めておくことをおすすめいたします。

ご参考までに評価者育成のポイントの一例をあげると以下のとおりです。

  • 評価制度の目的を理解してもらうこと (査定だけでなく人材育成も)
  • 評価者の役割、意識         (評価者がキーパーソン)
  • 目標設定のポイント         (目標設定は”SMART”に)
  • 評価点を付ける際の注意点      (評価エラー)
  • フィードバック面談のポイント    (育成のためのフィードバック)

いかがでしょうか。人事評価制度や人事評価システムの導入はそのこと自体が目的化しやすいものですが、これらはあくまでも仕組みであり、それを適切に運用して本来の目的を実現するのは企業さまの社員です。制度準備やシステム導入と並行して、人事担当者の選定や評価者研修の実施を検討してみてください。

なお、みらいコンサルティンググループでは、人事責任者や担当者を社内につくるご支援(必要があれば新規に採用することも含めて)や、評価者を育成するためのご支援も承っています。こういった課題にお悩みの際には、お気軽にお問合せください。

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