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目標管理制度の運用は「最初」が大事!~目標設定面談の進め方
目標管理制度は、社員個々の職務に基づく目標設定ができること、目標達成に向かって取り組む結果として会社の業績向上や人材育成につながることから多くの企業で導入されています。ただ、本来の目的を達するためには、期初に社員個々の職務に合わせたどのような目標を設定するか、どのように目標の進捗状況を確認するかなど、円滑な運用に向けて注意すべきポイントがあります。
そこで、今回は目標管理制度において最初に重要となる目標設定面談について解説します。
1.目標管理制度(年間の面談)の流れ
まずは、目標管理制度における年間の面談の流れを確認します。
(1)期初:目標設定面談(評価者と社員(=被評価者)間で目標を設定する)
社員自身が目標を検討、言語化したうえで評価者と面談を実施します。社員が検討した目標が会社の期待以上のものであれば、そのまま個人目標として承認しますが、期待値より低い目標であったり、そもそも目標自体がズレている場合は、評価者が目標の見直しを指示し、社員が修正を繰り返すプロセスが必要となります。
(2)期中:中間面談
期初で設定した目標の達成に向けて取り組み状況を評価者・社員間で相互に確認し、特に目標の進捗状況が芳しくない場合などは目標達成に向けた取り組みのアドバイスが重要となります。また、昨今の事業環境変化が著しい時代においては、期中に目標自体を見直すこともあり得ます。
(3)期末:期末面談・評価
目標の達成状況や評価期間における行動の振り返りを目的に面談し、その内容を踏まえ評価者が評価を実施することになります。自己評価を導入している企業であれば、社員の自己評価の内容・理由などを確認することになります。
さらに、評価実施後のフィードバック面談も期末面談のひとつとして重要です。
上記のような流れで目標管理制度は運用されますが、残念ながらうまくいかないことも現実には発生します。たとえば、評価者が一方的に目標を押し付けてノルマ化してしまっているケースや、期初に部下と評価者で合意したはずの目標に対し、期末になって「目標のレベルが低すぎる」として評価者が一方的に評価を下げてしまうといったケースです。
このように、目標管理制度は、特に最初の目標設定が適切におこなわれなければ社員の納得感やモチベーションを下げるといった望ましくない逆効果を生み出すこともあるのです。
2.目標設定面談の進め方
目標管理制度を社員のモチベーションや成長につなげるためには、期初に行う「目標設定面談」が重要であり、その具体的なポイントを以下4つご紹介します。
(1)評価者が評価期間における会社・組織の目標・課題を示す
“社員の目標”は“会社・組織の目標”との連動性が重要であり、そのためには評価期間における目標を説明し、その内容に沿った個人目標設定を促すことが重要です。
(2)評価者から社員に対する期待役割や課題を示す
評価者が社員に期待することや取り組んでほしい課題を明示することで、社員が何を求められるかが明確になり、その内容を目標に反映することができます。
(3)社員が取り組みたい目標も受け止める
上記(1)・(2)は会社・評価者からの期待となりますが、社員それぞれが取り組みたい目標もあるはずで、このような目標もできる限り反映することも大切です。仮にその目標が評価者の期待とズレている場合は、そのズレを面談の中で修正することで相互の納得感も高まります。
(4)目標達成に向けた具体的な取り組みを共に考える
目標が決定すると次に、その目標達成に向けた取り組みを考える必要がありますが、その取り組みもズレが生じないよう共に考える必要があります。その際、目標達成に向けて評価者ができるサポートも併せて伝えることで社員の安心感は高まります。
目標設定面談は、目標管理制度における「はじめの一歩」であり、ここでどのような目標を設定するかがポイントとなります。なお、人事評価システムでは、目標設定面談の内容を記録することが可能で、評価者・社員にとって透明性・納得感の向上にもつながりますので、目標管理制度をしっかり運用したい会社は、システムの活用も検討してみてください。