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人事評価制度を上手く機能させるためのポイント
企業が人事評価制度を導入する背景は様々です。よく聞く理由としては「評価の基準がないため社員が不公平感を持っている」「職種や役職の区別なく同一基準で評価しているため公正な評価と言えない」といったものがあります。そういった課題を解決すべく人事評価制度を整備、見直しても、いざ運用してみると上手く機能しないといった話をよく聞きます。
苦労して導入した人事評価制度も、適切な運用ができなければ、本来見込んでいた効果が得られず、手間ばかりが増えてしまったり、社員のモチベーションが低下してしまうことがあります。
今回は、人事評価制度を上手く機能させるための3つのポイントについて、解説していきます。
1.評価項目や評価基準を社員に説明する
人事制度の仕組みは、企業によって様々ですが、人事評価制度は自社の等級制度や役職制度を踏まえ、それぞれに期待する評価項目や評価基準を設定するケースが多いと思います。ですから、その項目や基準設定の趣旨が社員に伝わっていないと、せっかくの人事評価制度も意味を成しません。
人事評価制度をスタートさせる前に、説明会や研修などを通じて、人事評価の仕組みを社員に浸透させることが重要です。
2.情報共有とコミュニケーション
人事評価制度を適切に機能させるためには、評価期間の初めに会社や部門の目標と個人への期待をしっかりとすり合わせすることが重要です。また、評価期間中には、目標の進捗や普段の行動について、面談などを通じて評価者と被評価者間で共有をおこないましょう。評価期末に事務的な評価を実施するだけでは、評価される側に納得感が得られません。
タイムリーな情報共有と密なコミュニケーションは、人事評価制度を効果的に運用するための重要な要素です。
3.評価者のスキルアップと評価者間の目線合わせ
人事評価制度を運用するキーパーソンは評価者です。目標設定や期待のすり合わせ、期間中の面談、評価実施などの責任は各評価者にあります。人事評価の仕組みや運用に力を入れたとしても、評価者が十分な評価スキルを保有していないと、社員の頑張りが報われない結果となってしまうこともあります。
評価スキルは、誰もが初めから身についているものではありません。定期的に評価者研修を実施して、評価者のスキルアップをおこなうことをおススメします。
また、「評価者によって甘かったり、厳しかったりで評価結果にバラつきがある」と言った声もよく耳にします。どれだけ評価基準を定めても、人間が実施する以上、人事評価にはいろいろな感情が入り、評価エラー(寛大化傾向、中心化傾向)が発生します。評価者研修においては、それぞれの評価者が、評価実施における普段の悩みや、基準のすり合わせを行うことも重要です。
このように、人事評価制度を上手く機能させるためには、評価項目・基準を社員に理解、納得させ、タイムリーな情報共有や密なコミュニケーションをおこなうことが重要です。また、効果的に人事評価制度を運用する際には、どうしても評価者の業務負担が増加してしまいます。評価制度を運用するうえで重要な役割を担うのは評価者ですので、人事評価システムの導入を検討いただくなど、評価者の負担軽減となる運用サポートにも目を向けていただくとよいと思われます。
人事評価制度の運用にお困りの企業は、ご参考いただけると幸いです。