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人事評価
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効果的なフィードバック方法 ~中小企業~

 人事評価システム導入を支援する中で、既に人事評価制度を導入しているお客さまから「人事制度がうまく機能していないので見直したい」といったご相談を受けることがあります。現状の人事評価制度の運用状況をお聞きすると、人事評価制度自体がその会社にマッチしていない状態であったり、評価エラーが発生していたりと、その原因は様々ですが、特に目立つのが「フィードバックすることが難しから実施していない」という点です。

 

 人事評価制度を整備する目的には、大きく区分して3点あります。

    • 公平・公正な処遇を行う(査定)
    • 会社方針や等級階層別の行動・期待レベルを社員に理解してもらう(会社方針伝達)
    • 適切な評価とフィードバックにより、社員の成長を促進する(人材育成)

 

 以前のコラムでも掲載したとおり、策定した評価基準を社員に浸透させ、適切なフィードバックを通じて来期の行動に変革をもたらすことが人事評価制度運用の重要なポイントです。「適切なフィードバックをおこなわない」または「フィードバックを実施しない」と、人事評価制度の本来の効果が見込めず、結果として「人事評価制度がうまく機能していない」状況になってしまいます。

 今回は、社員への納得度を高めるために効果的なフィードバックの方法をご紹介します。

 

フィードバック面談の内容と目的

 フィードバック面談と聞くと、「前期の評価内容を伝える」とイメージされる方が多いかと思いますが、本来のフィードバック面談の内容は、面談を通じて前期の行動や成果を共有し、今後の方針や目標をともに作り上げていくことです。「今期の評価は〇だった」と査定内容を伝えるためが目的ではなく、社員の育成、成長支援が最終目的となります。

 

面談前の準備

 密度の濃いフィードバック面談にするためには、実施する側と受ける側の双方で、事前準備をしっかりとおこなうことが重要です。話し合うべき事柄、伝えるべき点など、よくまとめたうえで面談に望むと効果的です。

 

フィードバック面談の流れ

 実際のフィードバック面談は、下記のような流れで進めるとスムーズです。

    1. 本題に入る前には、雑談などを交えて、双方がリラックスした話しやすい雰囲気を作りましょう。
    2. 相手の取り組みについて、あらためて話を聴き、必要に応じ質問して話を引き出しましょう。傾聴の姿勢が大事です。
    3. 今期の評価結果を相手に伝えましょう。良かった点を先に伝え、その後に悪かった点を伝えるのが効果的です。
    4. 今後の取り組みについて、どのようにすればより良くなるか、相手と一緒に考えてみましょう。相手に気づきを与え、本人自ら決定することが重要です。
    5. 最後に、面談内容を双方で再確認し、相手を激励するとともに、「いつでも相談に乗りますよ」という支援の姿勢を示しましょう。

 

※注意点

    • 良い点については褒めすぎることなく、長所を更に伸ばしていけるようなアドバイスを実施することをおススメします。
    • 相手の成長に必要であれば、厳しい言葉を伝えなければなりませんが、頭ごなしに否定することは避けるべきです。悪い点をしっかりと伝え、具体策を示すことで改善を促すように働きかけ、相手との信頼関係を築きましょう。

 

 上記のように、フィードバック面談には、人事評価制度を上手く機能させるためにとても重要な役割があります。適切なフィードバック面談をおこなうには、面談準備や実施スキルももちろん必要ですが、面談を受ける側と実施する側に、しっかりとした信頼関係が構築されていることも重要な要素となります。

 

 最近では、上司と部下との信頼関係の構築に効果的な「1on1ミーティング」を導入する企業も増えてきています。「1on1ミーティング」については、別のコラムでお話しますが、当社が提供する人事評価システムミライクには、1on1ミーティングの運用をサポートするための機能も実施する予定です(2021年7月にサービスリリース予定)。1on1ミーティング制度の導入コンサルティングも実施していますので、上司と部下間の信頼関係に課題を感じている企業さまは、是非検討してみてください。

 

 

 

 本コラムを参考に、効果的なフィードバックを実現していただけると幸いです。

 

 

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