上司と部下が定期的におこなう対話「1on1ミーティング」。最近注目が高まっており、導入する企業も増えています。今回は、1on1ミーティングに関してよくいただくご質問の一つ、「1on1の効果」について概説します。

１．1on1の効果と、実感できるまでの期間について

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１－１．「1on1をやることですぐに効果は出るのか？」

1on1ミーティングを導入検討されている企業の方からよくあるご質問で「1on1を導入することですぐに効果は出るのか？」「1on1を導入してどれくらいで効果が出るのか？」などがあります。

先に結論を申し上げると、「すぐに出やすい効果もあるが、基本的には期待通りの効果が出るまでには時間がかかる」という回答となります。

そもそも「1on1に期待する効果」とは何でしょうか。あらためて1on1の効果と、効果を実感できるまでのプロセスを詳しく考えていきましょう。

１－２.　1on1の効果　導入の目的と効果の実感まで

1on1ミーティングで期待できる効果としては、主に以下が挙げられます。

	効果	詳細
１	部下の承認欲求が満たされる	話を聞いてもらうことで、認められていると感じる
２	部下の不安が解消される	部下が普段言えずに心の中で溜めていたマイナスの感情を外に出すことで、気分が晴れる
３	部下の内省が深まり、次の行動に生かせる	他者に話を聞いてもらい問いかけをされることで、自身の言動に対する内省が深まり、次の行動への学びとすることができる
４	部下と上司の信頼関係が高まる	話をする頻度が増えることで、信頼関係が高まり、普段のコミュニケーションも取りやすくなる
５	部下のメンタル不調を事前に察知できる	部下の心身の不調や環境の変化に気づきやすくなり、早期に相談対応することで、メンタル不調を察知したり突然の退職を防ぎやすくなる
６	部下の評価への納得度が上がる	定期的に人事評価の評価項目と現在の達成度合いのすり合わせができ、納得感のある人事評価制度の運用ができる

効果の中には、毎回の1on1ミーティングを実施している最中もしくは直後に確認できる効果と、実施後の部下の行動変化や、上司との関係性、評価への影響など、時間をかけてあらわれる効果があります。

しかし、いずれの効果についても、1on1ミーティングが適切に実施されていない限り得られないもので、1on1ミーティングを適切に実施するために必要なポイントは以下のとおりです。

・部下・上司の双方が1on1の効果(メリット)や目的について共通認識を持っている ・上司が1on1に必要なスキルを理解し、身につけている ・部下が受け身にならない心構えを持ち、事前準備をおこなっている

初めて1on1ミーティングを導入される場合、「1on1ミーティングの目的について共通認識を持つ」ということだけでも、すぐに全体への浸透・定着は容易ではありません。上司側の必要スキルも、十分に身につけるまでに時間がかかります。

大切なのは、期待する効果がすぐに得られなくても焦ることなく、毎回よりよいミーティングの実施を意識すること、そして、効果を都度確認することです。根気強く繰り返すことで、効果や変化を実感できる場面が徐々に増えてくるでしょう。

２．まとめ

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今回は1on1ミーティングの効果と効果を実感するまでをご紹介いたしました。

1on1ミーティングは人事施策の一つとして、人材育成を目的に実施されるものです。

そのため、はっきりとした効果が見えづらく、明確なゴールがないことに不安を感じることもあるかもしれません。しかし、部下と上司が相互にその効果を確認できる点が、1on1ミーティングのよいところでもあります。

適切な1on1ミーティングの実施という観点では、導入研修や導入後のフォローアップ等、全社的な取り組みとしておこない、継続的に支援する場面を用意することで、導入直後からスムーズで効果的な1on1ミーティングが実施しやすくなります。

弊社では、1on1ミーティング導入コンサルティングや、上司向けのスキル研修先の実施、1on1ミーティングのアンケートや面談記録などのクラウドシステムでの管理、といったご支援をおこなっています。ぜひお気軽にご相談ください。