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1on1ミーティングの失敗例(上司がやってはいけないこと)

 上司と部下が定期的に行う対話「1on1ミーティング」。
最近注目が高まっており、導入する企業も増えています。


 今回は、1on1ミーティングでよくある失敗例から見えてくる、「上司がやってはいけないこと」をご紹介します。


1.よくある3つの失敗例


 1on1ミーティングでよくある失敗例は、以下の3つです。

① 1on1ミーティングをする時間が無い


 上司が日々の業務で忙しく、なかなか1on1ミーティングの時間が取れない、というケースはよくあります。
 もともと1on1ミーティングを予定していた日時にお客さまとの予定が入ってしまったり、他の会議と重なってしまったりすることもあれば、上司と部下で予定の合う日時がなかなか設定できないという場合もあるでしょう。特にひとりの上司が複数名の部下を担当している場合は、こういったことが起こりがちです。業務の都合上、どうしても実施が難しい場合もあると思いますが、予定していた1on1ミーティングが何度も延期になったり、決められた頻度で実施ができていなかったりすると、部下は「自分のことはあまり大事に思われていない」と感じてしまうおそれがあります。


 逆に、上司がどんなに忙しくても1on1ミーティングの時間は必ず設定し、他の予定に優先して時間を確保する姿勢を見せていると、部下は「自分のことを気にかけてくれている」「自分のために時間を割いてくれている」と感じます。


 小さなことかもしれませんが、そういった取り組みによって上司部下ともに1on1ミーティングに真剣に取り組む風土が醸成されるのではないでしょうか。1on1ミーティングは「部下の成長や気づきを促す場」であり、目的は「人材育成」です。「忙しくて時間がない」という理由の中に「優先順位が低くなっている」という可能性も少なからずあると思いますので、会社が意図している目的や効果について、あらためて考えていただき、その重要性に気づくように促してみるのが効果的かと思います。

② 話が続かない・気づいたら上司ばかりが話している


 次に、いざ1on1ミーティングをやってはみたものの、話が続かず、何を話したらよいかわからない、気づいたら上司ばかりが話しているというのも、よくあるケースです。


 1on1ミーティングは、部下本人が問題を認識し・解決策を考え・行動することをサポートする場です。そのために、最も重要なのが「傾聴」であり、部下に話をさせて、上司は聞き役に徹し、部下の内省が深まるような質問をする、という姿勢が重要です。言葉で書くと簡単に見えますが実際はとても難しく、上司側ができていないことがよくあります。特に、経験豊富で仕事ができる上司ほど、ついアドバイスや自身の意見ばかり話してしまいがちです。上司と部下という上下関係があると、部下は上司の話を遮ったり異論を述べたりしづらいものです。


 上司が答えを判断して教えたり、上司の考えを一方的に伝えたりするのではなく、部下自身に話をしてもらい、認識している課題や解決策について、あくまで部下自身が考え、自らの行動を決定する、上司はそのサポートをするという姿勢が不可欠です。


 1on1ミーティングが終わってから、上司と部下のどちらが多く喋っていたか振り返ってみるとよいでしょう。そのうえで、必要であれば、上司の方に傾聴スキルの研修をあらためておこなうのはいかがでしょうか。

③ 前回話した内容を覚えていない


 1on1ミーティングを実施したものの、やりっぱなしで、その場限りになってしまっているというケースもよくあります。上司が内容を覚えておらず、「前回はどんな話をしたんだっけ?」というようなことはないでしょうか。このような状況は、せっかく話した内容が次に活かされないだけでなく、部下からの信頼を損なう可能性があります。1on1ミーティングをしたあとには、要点だけでも必ず記録を残すようにしましょう。


 さらに毎回、1on1ミーティングは効果的に実施できたか、反省点はないか等、振り返り、改善継続していくことが重要です。

2.放っておくと大きなデメリットに!上司がやってはいけないこと 


 以上の1on1ミーティングのよくある失敗例から見えてくる「上司がやってはいけないこと」は、以下の3点です。

① 1on1ミーティングを後回しにする

② 上司ばかりが話す

③ やりっぱなしにする

 このような状況がある場合、そのまま放っておくととても危険です。このような1on1ミーティングが続くと、1on1ミーティングが形骸化するだけでなく、上司と部下の信頼関係に溝ができ、それぞれのモチベーション低下を招く可能性もあります。これは、1on1ミーティングで狙っている効果と真逆で、むしろやらない方がいいことになります。

3.実践しながら、部下と一緒に良いものにしていこう



 誰しも最初からうまく実施できないのはあたり前です。また、上司がひとりで成功させようと意気込む必要はありません。1on1ミーティングの効果を最大限に高めるためには、上司、部下それぞれが実践していく中で、ともに改善し、共同でより良い1on1ミーティング作り上げていくことが大切です。

 

 以上、今回は1on1ミーティングでよくある失敗例から見えてくる、上司がやってはいけないことをご紹介しました。1on1ミーティングの面談記録やアンケートなどは、クラウドシステムを活用して簡単に管理することもできます。
 また、1on1ミーティング導入のコンサルティングや、上司向けのスキル研修も実施していますので、お気軽にご相談ください。


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