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1on1ミーティングの進め方(上司に必要なスキル)
上司と部下が定期的におこなう対話「1on1ミーティング」。
最近注目が高まっており、導入する企業も増えています。しかし、上司側に対話スキルがないと、ただの雑談で終わってしまったり、一方的な指導やアドバイスで終わってしまったりすることが少なくありません。
そこで、今回は、1on1ミーティングに必要な上司のスキルについて、ご紹介します。
1.傾聴力
まず忘れてはならないのは、1on1ミーティングは「部下のための時間である」ということです。
部下の話を聴くことで、部下のモチベーションや成長スピードを高めることが主な目的ですので、傾聴が基本的な姿勢となります。
傾聴とは、耳と心を傾け、相手の言葉をそのまま受け止めて聞く、ということです。部下の話を最後まで遮らない、上司自身の話をしすぎない、といったことに気を付けましょう。
2.承認力
次に、承認も1on1ミーティングで意識したいスキルです。承認とは、「ありのままを認めること」ですが、人は他者に認めてもらえると、「自分ならできる」という自己効力感がが高まります。
承認の代表的なものに「褒める」があります。良い行いや姿勢、結果があれば、口に出して褒めることで、部下のモチベーションは上がります。ただし、人によっては、行動や結果だけを褒められても、結果だけを見られていると感じ、逆効果になってしまう場合もありますので気を付けましょう。
また、相手の存在そのものを認める「存在承認」も重要です。「○○さん、おはようございます」といった挨拶や「○○さん、昨日はありがとう」といった声かけも存在承認のひとつですから、多くの企業でおこなわれている「あいさつ運動」などは合理的な意味があるのです。
3.質問力
1on1ミーティングは傾聴が大事ですが、ただ聴いているだけではなく、上司から質問することにより、さらに部下の内省や気づきが促されます。
質問にはクローズドクエスチョン(限定質問)とオープンクエスチョン(拡大質問)があります。
クローズドクエスチョン(限定質問)とは、「はい」か「いいえ」で答えられるような、回答の選択肢が限定的な質問です。
一方、オープンクエスチョン(拡大質問)とは、「今、どんなことに興味がありますか」といった自由に答えが考えられる質問です。 クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンは、使い分けがお勧めです。例えば、対話の序盤で話が乗ってくるまではクローズドクエスチョンを多めに使い、話が広がってきたら、オープンクエスチョンを使うといった方法が考えられます。
また、人によってはオープンクエスチョンだと話しづらいという場合もありますので、部下のタイプによって使い分けをすることも考えられます。
4.フィードバック力
1on1ミーティングでは、部下の日々の業務や直近の言動で気になったことについて、積極的にフィードバックをしましょう。フィードバックをされることで、部下は内省が深まり、行動の変化や成長につながります。
フィードバックをする際は、「SBI」手法の活用がお勧めです。「SBI」とは,どんな状況(Situation)の、どんな行動(Behavior)が、どんな影響(Impact)を与えたのか(良かったのか、ダメだったのか)を事実として伝える手法です。 また、時には部下にとって耳が痛い内容を伝える場面もあるかと思います。
そんな時は、サンドイッチ型で伝えることも有効です。サンドイッチ型とは、改善点の指摘というネガティブなフィードバック(具)を、褒めるというポジティブなフィードバック(パン)で挟んでおこなう=サンドイッチのように「褒める→改善点の指摘→褒める」という順番でおこなう方法です。部下にとっても受け入れやすくなるでしょう。
5.部下に関心を持ち、期待し続けること
最後に、対話スキルよりも重要なことがあります。
それは、「部下に関心を持ち、期待し続けること」です。
傾聴も承認も質問もフィードバックも、日頃から部下に関心を持って観察していないと、できないことです。今部下がどんな業務を抱えているか、どんなことにプレッシャーややりがいを感じているか、部下に関心を持ち、信じ、期待し続けることが大前提です。
これができている上で対話スキルを駆使すれば、1on1ミーティングの効果はとても大きなものになるでしょう。
以上、1on1ミーティングに必要な上司のスキルをご紹介しました。1on1ミーティングのアンケートや面談記録などは、クラウドシステムを活用して管理することもできます。
また、1on1ミーティング導入のコンサルティングや、上司向けのスキル研修も実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。